商人欲求

もうすぐ社会人になる学生です。教養は大事。

「違和感から始まる社会学」を読んでみての感想

本屋でこんな帯のついた本を見つけて気になり読んでみた。

違和感から始まる社会学

なんともメッセージ性のある帯である。”スマホ”という現代っ子が飛びつきそうなワードには僕自身も惹かれた。

 

本の内容を僕なりにざっくり表現すると、「私たちが生きている日常をあらためて考えさせられる」本である。

 

冒頭では、著者(大学教授)が持つゼミ生が書いたソシャゲについての論文について、著者が意見を述べている。ファミコン世代の著者は、毎日ログインを促したり、曜日限定のクエストを開催しているソシャゲに対して、私たちの日常が完全にスマホと向き合う時間に阻害されているではないか!と違和感を抱いている。「スマホ」に振り回され仮想世界にどっぷり浸かっている人はただちにそれを手放し、本来新鮮で可能性に満ちた世界である日常を身体で体感せよ!と言っている。

これには僕も首を何回もタテに振った。僕はソシャゲは基本やらない派であり、そもそも面白味がわからない。起動するたびにデータ通信が始まってバッテリーが減っちゃうし、ソシャゲに時間を割くのもあまり好まない。ソシャゲよりもコンシューマゲームをやったほうがいいよ!!(余談)

 

skky17.hatenablog.com

 

 スマホに飼いならされている私たちは、それを手にした瞬間、時空を超え、とてつもないスピードで、過去、現在、未来のことを知ることができ、使っているうちに様々な情報が垂れ流れてくるができる。スマホ一台で世界中のあらゆる情報をキャッチできるからね。このような穴ができた空間を多孔化空間といい、同じ空間にいる人どうしが相互に関わる機会を私たちは失っている。これはマズイ。

 

スマホ以外の事例もいくつかある。著者がさまざまなフィールドワークを通じて、ほんとうの日常とはなにかが書かれている。社会学を専攻していない学生が読んでも面白い。

 

スマホはもはや単なる携帯電話ではなく、なんでもできる多機能便利ツールと化した。みんな使ってて当たり大多数の人は思い込んでいるが、べつに持っていなくてもかろうじて生きていけると思っている。周囲の口コミやマスメディアが私たちを扇動しているともいえる。そんな現代だからこそ、そもそもスマホを使う意味とは、それを使っている日常は果たしてよいものなのか、を考えないといけない。

 

 

 

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